4:30ごろ起床。グラスに水とお湯を混ぜて二杯飲み、そっと部屋を出て温泉へ行く。正面の大きな窓を開け、網戸越しに大木の葉がざわめくのを眺めながら浸かる。雑音が必要だ。部屋にいるときも思ったが、虫の鳴き声のつらなりと川の音というのはあまり聞き分けがつかない。草木のシルエットが揺れていても、それは虫のようにも蝙蝠のようにも砂嵐のようにも見える。
田舎のみやげもの屋には、どのお店にもほとんど同じものが売られているように見える。都会の百貨店に売られているものは、どれも同じに見えるだろうか。たぶんそうだろう。