2022/12/23

パパ、東京タワー! ベビーカーから声をあげるこどもの指先がルイ・ヴィトンのロゴを光らせた塔をしめす。歩道には信号待ちのひとで溢れているのに、広場は葉の落ちたいちょうの木と同じようにがらんとしている。広場だけがある。

われらが暖房器具・サンラメラとの相性がよくないのか、部屋がひどく冷えるのでしょうがなくエアコンに切り替えてみたら、ものすごく暖かい。が、吾輩が尋常でない鳴き声で訴えはじめた。目があうと、冷たくなったサンラメラの前へ移動してふたたび鳴く。わたしはエアコンを消して、専用タップからコンセントを引き抜き、サンラメラのそれを挿しこんで、電源を入れる。重役みたいな顔でじっとにらみつけながら工程を見守っていた吾輩は、数十分後、暖かくなったサンラメラの前でからだをのびのびと横たえる。あなたの喜びがわたしの喜びですが、それはそれとして、寒いよ。