午後九時すぎに寝たが、暑くて二十四時前に起きた。暗いリビングでは、カーペットの真ん中でひときわ黒いふたつが座りこんでいた。風が吹いている。暑かったのか、そうでもないだろう。じゃまをしたねえと声をかけたが、窓からの風が吹きこむソファに寝転んだらすぐに胸のうえへやってきた。カーテンがちょっと開いていて、向かいのマンションの廊下から蛍光灯のあかりがふたつの顔に差しこむ。小さな顔を両手で撫でたらうっとりと目を細めるすがたが、青白い灯りのもとに晒されている。ふたたび眠り、肌寒さに目をさますと六時半で、ふたつはもういなくなっていた。水を飲んでベッドに戻ると、吾輩とふたつがくっついて眠っているので、またおじゃまをして、ベッドの足もとがふたりの体温で暖まっているのをいいことに、ぬくぬくと三度寝をする。