四足の像
業者の出入りが済んだあと、天気もいいし換気がてらにと窓をあけたら吾輩が起きてきた。別の窓辺に近づいて、あれ、という顔をするので、こっちの窓だよ、と言うとまっすぐに向かっていく。寒いのがきらいなのに、窓をあければ冬場でもかならず窓辺に向かうのがいとおしい。爽やかに晴れているが気温はふつうに冬なのでそろそろ閉めたい、と思っていると、ぬかりなくふたつも起きてきた。冷たい空気の通う窓辺にふたりが並ぶと、寒さなどどうでもよくなってしまう。