四足の像
閉まった窓と網戸のあいだに入りこんだ小さな虫を、ふたつが威嚇する。出て行こうとして飛び回る虫にふたつが顔を近づけるが、冷えた窓をあたたかい鼻が点々と曇らせるだけだった。あんな跡が、わたしの心にいくつも残っている。